| 婚約を解消したとき、慰謝料はどうなるの? |
半年ほど前、お見合いをして理想に近いと思える男性と知り合い婚約をしました。 結納もすみ、結婚準備のため会社も退職しました。新居のための家具を買ったり、食器をそろえたりするのは彼がいそがしいのでほとんどこちらで購入したのです。 ところが、1ヶ月ほど前に突然彼から、「他に好きな人ができたので婚約はなかったことにしてほしい」といわれました。 私におちどがあったとは思えず、とても納得できない話なのですが、彼の決心は変わりません。慰謝料を請求したいと思いますが、具体的にはどのくらいになるのでしょうか。 (20代 女性) |
婚姻生活はお互いの自由意志に基づく関係ですから、裁判などで強制的に結婚を成立させることはできません。婚約は将来婚姻することの合意ですから婚約の履行を強制することもできません。ですから、婚約を解消することは自由にできることになります。 しかし、相手の男性に婚約を解消するに当たり「正当な事由」がなければ、慰謝料などの損害賠償を請求することができます。 婚約を解消するための「正当な事由」とは 円満かつ正常な婚姻生活を将来営めない原因となりうる客観的かつ具体的な事情 をいい、 ・相手から虐待、侮辱された。 ・挙式や婚姻の届出を合理的理由なしに一方的に延期する。 ・不治の病に罹患した。 ・相手が態度を豹変させきわめて冷酷な態度を取るようになった。 ・経済状態が日常生活を営むことが困難な程度に悪化した。 などが、婚約を破棄する正当な自由と認められます。 もちろんお互いに合意により円満に婚約を解消するのも正当な事由です。 これに対し、損害賠償の請求ができる婚約解消の理由とは、 ・相性、方位、年回りが悪い。 ・性格が合わない。 ・相手の資産が思ったより少ない。 ・家風に合わない。 ・親が反対している。 ・他に好きな人ができた。 などになります。 損害賠償額は、まず、結納に要した費用、挙式や披露宴の予約金、衣装代、などが損害となります。家具や日用品などについては、処分した場合は購入価格から処分した価格を差し引いた差額か、購入価格の70%前後に相当する金額を損害額とする方法があります。(この場合購入した現物は相手に引き渡す必要があります。) くわえて、婚約しなかったら勤務先を退職しなかったという場合、退職しなかったら得られたであろう金額も損害となります。(得べかりし利益)勤務先の女性従業員の平均勤務年数や、女子の平均婚姻年齢を基礎にし、この期間内の給料や賞与の合計額とその期間が満了するときに受領すべき退職金との合計額から、すでに受け取った退職金を差し引いて計算するのが一般的です。 また、慰謝料については、婚約期間の長短、婚約期間における性交渉の有無、及び婚約破棄にいたった諸事情を考慮して決めますが、裁判例を見ても10万円から200万円までの幅があり、いちがいには言えません。 以上にもとづいて、具体的に損害賠償額を示した内容証明を送付します。 話し合いによって円満な解決ができない場合は、相手の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てます。 |
婚約破棄に関する内容証明などは、どうしても感情的になりがちです。損害賠償を請求する根拠となる事実は客観的に具体的に記載する必要があります。金額についても、慰謝料となるといくらでも!!というお気持ちになるのは十分理解できますが、話し合いがこじれてしまっては解決も遅れることになります。交際期間、社会的な影響、相手の経済状況などをよく考慮して妥当な金額を請求するようにしてください。 |
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