協議離婚の注意点

生活のすれ違いや、考え方の違いから、結婚7年目で離婚することにお互い同意しました。子供は二人いますが、二人とも私が引き取ることになりそうです。今現在はパートですが、生活のために仕事を探さなければならないし、しばらくは実家に協力してもらうことになりそうです。

しかし、夫の仕事が忙しくなかなか具体的な話をすることができません。この先どのように話を進めていったらいいのか、なにをしたらいいのか、途方にくれています。   (30代 女性)

離婚には「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」があります。

お互いの話し合いが成立すれば協議で離婚となるわけですが、難航すればいきなり裁判できるわけではなく「調停前置主義」といって、まず「調停」、それが整わなければ、「審判」「裁判」となります。

日本の離婚の9割が、協議離婚というのが実態です。
この協議離婚という制度は、じつは外国ではあまりありません。
イギリスの離婚率は5割といわれていますが、そのイギリスでもお互いが離婚することに合意していても2年以上の別居を経て裁判所の判決を受ける必要があります。

日本の平成15年の離婚件数は286,000組、離婚率として2.27%と、かなりの比率になっています。
平成20年では251,000組、離婚率1.99%となっていますから、若干減少傾向にあるといえるでしょう。

日本では離婚は結婚と同じで届出制ですから、役所に離婚届を提出し受理されれば成立してしまいます。簡単にできる分、協議離婚については注意しなければいけない点もいくつかあります。

離婚届を出す前に、以下のような点について取り決める必要があります。

@ 未成年の子がいる場合、その親権者の定め
A (必要に応じ)監護者の定め
B 監護に関する費用(養育費)
C 子との面接交渉
D 財産分与とその方法
E 慰謝料

これらの点について、離婚協議書を作成した方がいいでしょう。協議書は公正証書にすることを強くお勧めします。

離婚協議書そのものに法的拘束力はなく、養育費の支払が滞ったりしても、新たに裁判を起こす必要が生じます。公正証書にし、「強制執行認諾約款」を付帯することで、裁判することなく強制執行することが可能となりますので、金銭支払が将来も継続してなされるのであれば、少々手間がかかっても公正証書を作成するべきです。
特に財産分与や養育費の取り決めが必要な場合は、離婚成立後ではなく、離婚前に公正証書を作成されたほうが間違いありません。

また、離婚により結婚していたときに使用していた姓(「婚氏」といいます)から、それ以前の姓に戻ることになります。離婚後も婚氏をそのまま使用したい場合、「離婚の際に称していた氏を称する届」を出す必要があります。これは離婚してから3ヶ月以内に手続きを行わなくてはなりません。
この場合、必ず新しい戸籍が作られます。

子は、両親が離婚しても苗字は変わらず、戸籍もそのまま父親の戸籍に残ります。母親は新戸籍となっても、なにもしなければ子は今までどおり父親の戸籍に入ったままとなります。
母親が子を引き取る場合、生活のうえで不都合なことも少なくありません。
このような場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更の許可の申立」をして、裁判所より許可を受け、役所に届け出をすれば、母親の戸籍に入籍することができます。この申立は郵送でもかまいませんし、特別に問題がなければたいてい許可が出るはずです。
許可が出たら、その通知書をもって市町村役場に届け出ることになります。

また、離婚に合意したものの、後々考え直して「やっぱり離婚はしたくない」とどちらか一方が思い直しても、形式が整った離婚届が提出されれば、問題なく離婚は受理され、成立してしまいます。それを訂正するには、その離婚が無効であることを裁判所によって確認してもらわなくてはなりません。これはかなり面倒な手続になります。

「あの時勢いで、離婚届に署名・捺印して相手に渡しちゃったけど、もう少しよく考えたい」などと思ったときで、相手が勝手に離婚届を出す恐れがある場合には、離婚届の不受理申出の手続きを行っておいてください。
この届出をすることにより、離婚届を提出しても6ヶ月間は受理されません。6ヶ月を過ぎた後でも、その都度更新手続をすることができます。

離婚については、さまざまな本が出ています。
これらのことも、ほんの一例にすぎません。
協議離婚の場合、届出一つで成立してしまいますので、特に弁護士などが間に介在していない場合、届けを出す前に、離婚に関する本などで必ず必要事項を確認することをお勧めいたします。