一生買い替え不要といわれた高級布団を買ったのに、付属品を次々と…
 
 「無料で布団の点検をします」といわれたので、つい使用している布団を見せると「ずいぶん痛んでいる。このままではダニなどが発生する原因になります。ちょうどこちらに一生お使いいただける商品を持っております。これなら干す必要もありませんし、お手入れはかえってラクです。」などと言い出しました。
 
 かなりの高級品なのでためらっているとなかなか帰ろうとせず2時間も経過しました。その後の予定もあり、そういわれれば布団も傷んでいるようなので、ついついいわれるままにローンを組んで購入することになりました。
 一生使える、だの、2度と布団を買う必要がない、などといっていたにもかかわらず、その後もやってきて高価な付属品を購入させられました。
 
 しばらく訪問が途絶えたので安心をしていたら、今度は違う業者がやってきて、又同じような商品を勧められます。なかなか断わることができず困っています。  (30代  女性)



 このような業者は、業者間で顧客情報が流通していることが多く、断わりにくい方や、お年寄りなどをねらって、同じ方に同じような商品を販売しているケースが見受けられます。まじめな方などはまじめに断わろうとして、かえってセールスマンのつぼにはまったりすることが多いようです。

 これは、こちらから訪問を望んだものではなく、一方的に販売目的を持って個別に訪問するもので、特定商取引法で「訪問販売」とされます。

 訪問販売では、販売手法にさまざまな規制が設けられています。

1)氏名等の明示
まず、勧誘に先立って、訪問者の氏名、会社名を明らかにし、なおかつ、何のために訪問したかを明らかにする必要があります。布団を販売する目的で訪問したのであれば、その旨を告げなければなりません。最初は「布団の無料点検です」などと告げながら、最終的に布団の販売をすることは禁止されています。

2)書面の交付
契約締結のとき、及び申込があったときには経済産業省令で定められた事項が記載してある書面を交付しなければなりません。この書面が交付されていなかったり、定めと異なった記載があるような場合、もしくは記載漏れがあった場合には、政令で定める書面が交付されたことにはならず、正式な書面が交付されるまではクーリングオフの行使期間とみなされます。

3)禁止行為
契約の締結を勧誘するときに、以下の点について不実のことを告げる行為は禁止されています。
1・ 商品の種類・性質・品質・権利・役務の種類など
2. 商品もしくは権利の販売価格または役務の対価
3. 商品もしくは権利の代金または役務の対価の支払時期及び方法
4. 商品の引渡時期・権利の移転時期・役務の提供時期
5. 申込の撤回・契約の解除に関する事項
6. 契約締結を必要とする事情に関する事項
7. 以上のほか、消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの


 政令で定められた書面の交付を受けてから8日以内であれば、訪問販売はクーリングオフが可能です。

 しかし、それ以上の期間を経過してからでも、上記の禁止行為があった場合、または消費者に不利な事実を告げなかった場合などは、契約の解除を申し出ることができます。

 また、消費者契約法によっても、不実告知、不利益事実の不告知、断定的判断の提供、不退去、などを理由として契約の取消しをすることも可能ですし、民法によれば、「錯誤による無効」を主張する可能性も出てきます。

 このように、実は悪質商法には契約の解除を申し出るきっかけというか、ネタは結構あります。ですから、契約後でも勇気を持って断わることが大切です。

 セールスを受けている最中に直接断わることができなくても、契約の取消しや申込の意思表示の撤回は、内容証明で行いましょう。内容証明があなたの代りに断わってくれるはずです。


訪問販売の場合、たいていはセールス方法や交付書面に問題があります。セールスを受けることになったきっかけから契約に至るまでの経緯を思い出してください。業者のどのような行為が特定商取引法違反になるのか、どのような経緯が消費者契約法の取消権の根拠になるかをはっきりさせる必要があります。場合によっては解除事由は一つには限りません。できるだけ時系列に沿って事実を明らかにした内容にすることが重要です。


                                       
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