個別アドバイス

中途解約と損害賠償

世の中の契約は、すべて商品取引だけではありません。あるサービスや、仕事の完成などを契約の対象とする場合もよくあります。
民法では「委任契約」や「請負契約」などがそれに当てはまりますが、一般的にサービスを受ける契約は、「準委任契約」ということになります。

当事者の一方がある作業やサービスを相手方に委託し、相手方がそれを承諾することによって効力を生ずる契約です。

これは、各当事者がいつでもその解除をすることができるとされていますが、相手方に不利な時期に契約を解除した場合、それにより生じる損害を賠償すること、との定めがあります。
この損害金をめぐって、消費者から苦情が多く発生していたため、サービスを提供する契約などについての損害金の上限が、特定商取引法により定められました。

中途契約の定めがある取引形態

特定商取引では、「特定継続的役務提供契約」として、商品の売買契約ではなく、ある一定の期間サービスを受ける契約について、特別の定めをしています。
ただし、サービスの提供を受けるのであれば、どんな内容でもいい、というわけではなく、「特定継続的役務」として以下のサービスを指定しています。
  • エステティックサロン
  • 外国語会話教室
  • 家庭教師派遣
  • 学習塾
  • パソコン教室
  • 結婚相手紹介サービス

これらは、どちらかというと苦情が多く寄せられた契約が対象となっています。パソコン教室と結婚相手紹介サービスが、後年追加されたように、他にも苦情が多く寄せられているサービスについても、順じ追加される可能性もあります。
最近では、育毛増毛サービスなども検討されているようです。

消費者が支払う損害金の上限

中途解約損害賠償額の上限
サービスの種類 契約の期間と
金額
業者に支払う損害賠償額の
上限
エステティックサロン 1ヶ月以上、5万円以上の契約 2万円または、 契約残金の10%のいずれか低いほう
外国語会話教室 2ヶ月以上、5万円以上の契約 5万円または、契約残金の20%のいずれか低いほう
家庭教師派遣 2ヶ月以上、5万円以上の契約 5万円または、1か月分の料金のいずれか低いほう
学習塾 2ヶ月以上、5万円以上の契約 2万円または、1か月分の料金のいずれか低いほう
パソコン教室 2ヶ月以上の契約 5万円または、契約残額の20%のいずれか低いほう
結婚相手紹介サービス 2ヶ月以上の契約 2万円または、契約残額の20%のいずれか低いほう

たとえば、エステのコースで30万円支払いました。1回1万円として5回行ったけれども解約したい、という場合、2万円か、残金25万円の10%である2万5千円かのいずれか低い額を業者にはらえばいいわけですから、この場合2万円でいいことになります。
これにすでに受けたサービスの代金5万円を加算し、30万円から合計7万円を差し引くと、もどってくるのが23万円となります。

なんだ、もどってくるんじゃん!

中途解約の通知も後のトラブルを防ぐため、内容証明で送りましょう。

中途解約は特定商取引法で定められた消費者の権利です。

しかし、最近、大手でさえも「これちょっと違うんじゃない」という解約精算をする場合もあります。

その典型的な例が、大手英会話教室「NOVA」の解約清算条項です。
詳細については、ここでは省略しますが、フリータイム制やポイント制など、役務提供の実態がつかみにくいコマ割りになっていたり、損害金に含まれているべきものが加算されるなど、契約書に記載されている、ということだけで、法定された損害金を上回る請求を受けるケースもありますので、注意が必要です。
中途解約清算書で、少しでもおかしいと思うものは、是非ご相談ください。